フリーランスSEが最初の案件を取るまでの最短ルート
筆者がフリーランスSEとして独立してから19年。その間に何百人ものエンジニアが「独立したけど、最初の案件がどうしても取れない」という相談を受けてきました。正直に言うと、ここが最も難しい時期です。実績も知名度もない状態から、どうやって仕事を獲得するのか。その具体的な方法を、失敗談を交えながらお伝えします。
2026年現在の相場と現実
2026年のフリーランスSE市場は、単価が大きく二極化しています。未経験者が手を出しやすい案件は月額30〜40万円程度。一方、経験者向けは月額80〜150万円という相場です。実際には、最初の案件は相場の30〜50%下回ることを覚悟する必要があります。
なぜなら、クライアント側も「実績不明のエンジニア」に高い単価を払うことができないからです。ここで「相場より低い案件は取るべきではない」と意固地になる人が多いのですが、実際には最初の1件が極めて重要です。その理由は後ほど説明します。
失敗を避けるための営業ルート比較
【相談件数が多い】エージェント経由
レバテックフリーランス、テックビズ、クラウドテックなど。最も一般的なルートです。メリットは「営業がいらない」こと。デメリットは、エージェント手数料で30〜40%抜かれることです。
2026年現在、これらのエージェントは「初回案件斡旋時の単価が相場の40〜60%」というのが実態です。筆者の知人が実際に取った案件は、提示単価が月額50万でしたが、実際には「エージェント手数料40%差引後」で30万に下がっていました。
【最速だが人脈が必須】紹介経由
前職の同僚や上司からの紹介。最初の案件はこれが最速です。実績を知っている人からの紹介なので、値引き交渉も少なくて済みます。筆者の場合、独立初月は前職の人事から「相続税計算システムのメンテナンス案件ないか」という依頼をもらいました。月額100万。相場の80%の単価でしたが、これが最初の実績になりました。
ただし、この方法は「人脈がない場合は使えない」という致命的な欠点があります。
【地道だが効果的】SNS・ブログ経由
Xで技術情報を発信したり、Zennで記事を書いたりすることで、読者からDMで案件依頼が来るケースです。2026年現在、この方法で案件を取るまで半年〜1年かかります。ただし、一度信用が溜まると案件の質が上がることが分かっています。
【実は穴場】クラウドソーシング初期段階
Wantedlyで企業を直接探したり、CrowdWorksで案件を探したりする方法です。単価は低いですが(月額20〜40万)、実績をすぐに付けられます。実際には、最初の案件だけクラウドソーシングで取って、その実績を使ってエージェント案件を取り直す、という戦略が効果的です。
最初の案件が極めて重要な理由
なぜ相場より低くても最初の案件を取るべきなのか。それは、ポートフォリオ・実績がある状態とない状態では、以降の単価交渉力が完全に変わるからです。
実際には、以下のようなシーケンスになります:
| 段階 | 単価の現実 | 理由 |
| 最初の案件 | 相場の40〜60% | 実績がない |
| 2件目 | 相場の60〜80% | 1件の実績がある |
| 3件目以降 | 相場の80〜100% | 複数実績で信用が溜まる |
筆者の知人で、最初の案件を相場の50%で受けた人がいます。月額40万。「安すぎる」と言う声も多かったのですが、3ヶ月後、その実績を武器に月額80万の案件を取りました。最初の半年で90万円の損があっても、以降の単価上昇で十分取り戻せるのです。
正直に言うと、ここが罠
多くのフリーランスが陥る罠があります。それは「最初の案件の単価が低いまま固定される」というパターンです。これを避けるには、以下の3つが重要です:
- 最初の案件は「学習期間」と割り切る。相場の50%でも3ヶ月と決めて、その後は交渉する
- 実績が溜まったら即座にエージェント案件に切り替える。単価交渉の際に「前社での経歴+直近の実績」を提示する
- 同じクライアントに長く付いても単価は上がらない。2年ごとに案件を切り替えるのが相場を維持するコツ
デメリット・注意点も正直に話す
ここまで「最初の案件を取ることが大事」と言ってきましたが、デメリットもあります:
- 単価が低い案件に時間を取られると、高単価案件を取る余裕がなくなる
- 「月額30万で良い人」というレッテルが付くと、以降の交渉で足元を見られる
- クライアントが「契約更新は当然」と考えるため、単価交渉が難しくなる
実際には、最初の案件は3〜6ヶ月の「期限付き」と明確に設定することが重要です。「その後、異なるクライアント向けに単価を上げる」というシナリオを事前に描いておかないと、低単価から抜け出せません。
2026年現在、最速で案件を取る方法
筆者の経験から、以下の順序が最速です:
ステップ1:前職の人脈を最大活用(1週間)
LinkedInで前職の同僚を50人洗い出し、「フリーランスになりました」というメッセージを送る。この中から、実際に案件につながるのは5〜10%です。ただしこれが最速。
ステップ2:エージェント登録(2〜3週間)
紹介がなければ、同時に複数のエージェントに登録します。レバテックフリーランス、クラウドテック、テックビズ。最初は「単価は気にしない、実績を付けることが優先」と伝える。エージェント営業は「実績がある方」を優先するので、この心構えが大事です。
ステップ3:クラウドソーシング並行(即座)
1週間以内に小さな案件を1件取る。単価は気にしない。「実績あり」という状態を作ることが目的です。
次のステップ:行動に移す
ここまで読んで「理屈は分かったが、本当にこれで案件が取れるのか」と不安な方も多いでしょう。正直に言うと、ここから先は行動が全てです。
明日からできることは3つ:
- LinkedInのプロフィール写真を用意して、前職の同僚50人にメッセージを送る
- レバテックフリーランス、クラウドテックのいずれかに登録して、営業に「最初の1件」を依頼する
- Wantedlyで「初案件OK」の案件を5件探して、応募する
最初の案件の単価は低いかもしれません。ただし、ここを乗り越えた人は、その後の単価交渉で圧倒的に有利になります。筆者も19年前、相場の60%で最初の案件を取りました。その決断が、現在に至るフリーランス生活の基礎になっています。
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