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転職活動中のフリーランスSEが陥る税金・確定申告の失敗と対策

フリーランスSEとして働きながら転職活動を進める時期ほど、税務申告で失敗しやすい時期はありません。筆者は19年間フリーランスSEをしてきた経験上、この時期の判断ミスが後々どれほど大きな負担になるか、身にしみて感じています。実際には、多くのフリーランスが「給与扱いにしてほしい」という提案に乗ったり、売上の報告を曖昧にしたりして、翌年の税務調査で指摘を受けるケースが少なくありません。

この記事では、筆者が経験した失敗例と、実際に機能した対策をお伝えします。転職活動中だからこそ気をつけるべき、税金・確定申告の5つの落とし穴をご紹介します。

転職活動中のフリーランスSEがやりがちな5つの失敗

失敗1:「給与扱い」にしてほしいという発注者の提案に乗る

転職活動中のフリーランスにとって、継続案件の単価引き上げや「給与として契約しないか」という提案は、一見魅力的に見えます。しかし正直に言うと、これは極めて危険です。

給与扱いにすることは、発注企業側の社会保険加入義務を避けるため、つまり企業側が不正を行うということです。あなたがその話に乗ると、あなた自身も共犯者になります。2026年現在、税務調査の厳格化により、こうした「給与に見せかけた報酬」は高確率で指摘されます。追徴税だけでなく、延滞税や加算税も発生し、最悪の場合は脱税で問題化します。

筆者の知人で、単価を上げる代わりに「給与扱い」で契約した人がいます。3年後の税務調査で500万円以上の追徴課税を受けました。当初の単価引き上げ分など吹き飛びます。

失敗2:社会保険料の二重払い問題への対応ミス

転職活動中のフリーランスが複数の案件を抱えていると、社会保険の加入状況が曖昧になりやすいです。

具体的には、以下のようなケースが発生します:

  • 常駐先企業の労働者扱いで厚生年金に加入させられているのに、自分でも国民年金に加入し続けている
  • 複数の発注企業から社会保険加入の話が出て、どの企業との関係が「雇用」に該当するのか不明確のまま進める
  • 転職が決まったのに、前の案件の社会保険を適切に脱退していない

2026年現在、月額の厚生年金保険料は給与の約19%です。二重払いになると、毎月数万円の無駄が発生します。1年で数十万円に達することもあります。正直に言うと、この問題を後で気付いても取り戻すのは非常に大変です。

失敗3:経費の意図的な過大計上

転職活動中は、売上の先行きが不透明なため、「今年の経費をできるだけ多く計上して、所得を圧縮したい」という心理が働きます。これも危険な落とし穴です。

フリーランスの経費は、「事業に必要」であることが絶対条件です。転職活動に使う経費(面接の交通費など)を、フリーランス事業の経費として計上することはできません。プライベートの部分が曖昧な支出(車のガソリン代、自宅の光熱費など)について、恣意的に事業割合を高く設定することも、税務調査で真っ先に指摘されます。

筆者は30代前半のころ、転職活動中に「念のため」という理由で、プライベート寄りの支出も経費に含めてしまい、税務調査で約100万円の修正を受けた経験があります。

失敗4:売上の大幅な減少を報告しない

転職活動が進むにつれて、フリーランス案件の受注を減らす人は多いです。しかし、売上がゼロに近づいていく過程で、「確定申告では前年の売上を基に計算すればいいだろう」という甘い考えで、減少を適切に報告しないケースがあります。

実際には、毎月の売上や、案件の終了時期を正確に記録し、確定申告で反映させる必要があります。転職が決まった時点で、その年の売上確定額が決まります。売上がないのに売上があるかのように申告すれば、それは虚偽申告です。

失敗5:確定申告書の提出忘れ、または不提出

転職が決まり、転職先の企業が厚生年金・保険に加入させた時点で、「今年のフリーランス分の確定申告は不要では?」と考える人がいます。これは大きな誤りです。

たとえ売上がゼロであっても、フリーランスとして開業届を出している場合、毎年確定申告書を提出する義務があります。提出しないと、後年になって「未申告」として追徴課税を受けます。

転職活動中のフリーランスSEが取るべき正しい対策

対策1:発注企業には「継続はフリーランス契約のまま」と明示する

給与扱いの提案を受けたら、「給与ではなく、継続してフリーランス契約でお願いします」と明確に伝えましょう。単価交渉は別問題として、契約形態は曲げてはいけません。

企業側が「給与扱いにしないと契約できない」と言うなら、そもそもその案件は避けるべきです。あなたの人生にはリスク以上のメリットがありません。

対策2:社会保険の加入状況を明確にする

月次で、どの企業との関係で社会保険が加入しているのか確認しましょう。市区町村役場や年金事務所に問い合わせれば、加入状況を確認できます。

転職が決まったら、その時点で前の案件の社会保険を脱退する手続きを取り、転職先での加入に切り替えます。この切り替えが曖昧だと、二重払いが発生します。

対策3:税理士に相談する

転職活動中のフリーランスにとって、税務状況は複雑になります。正直に言うと、自力で判断するより、専門家に任せた方が確実で、実質的には安上がりです。

2026年現在、税理士の顧問料は月額5,000〜15,000円程度が相場です。追徴課税で数十万円を失うリスクと比較すれば、十分に合理的な投資です。

対策4:月次の売上・経費を正確に記録する

転職活動が進むにつれて、案件が終わります。その都度、売上をゼロに修正します。年末までに、正確な年間売上を把握しておくことが、適切な確定申告につながります。

対策5:売上がゼロになった年も、確定申告書を提出する

売上ゼロでも、赤字申告として確定申告書を提出します。これにより、申告義務を果たしたことになり、未申告として後年指摘を受けることはありません。

転職活動中のフリーランスSEの年間スケジュール例

時期 対応すべき項目
4月 転職活動開始、発注企業に「契約形態の継続」を伝える
6月 案件終了予定が見えてきたら、売上確定額を計算開始
9月 転職が決定、社会保険の脱退手続きを進める
10月 転職先での社会保険加入完了、前の企業の脱退完了を確認
12月 フリーランス分の年間売上確定、税理士に相談
2月 確定申告書作成・提出

次のステップ:転職活動中のあなたがやるべきこと

転職活動を進める中で、税務申告の問題は後回しにしやすいものです。しかし実際には、この時期の判断が、あなたの今後の人生に大きな影響を与えます。

まずは以下の3つを、今すぐ実行してください:

  1. 税理士か税務署に、現在の税務状況を相談する。無料相談を活用しましょう。
  2. 社会保険の加入状況を確認する。市区町村役場の国民年金課か、年金事務所に問い合わせてください。
  3. 発注企業との契約形態を改めて確認し、給与扱いの誘いには乗らないと決める

転職活動は心理的な負担が大きいですが、税務面での落とし穴を避けることで、心を少し軽くしてください。正直に対応すれば、後々のトラブルはありません。あなたの転職活動がうまくいくことを、心から応援しています。

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