システムエンジニア入門!未経験者歓迎!知識ゼロからSEを目指す

無料プログラミングスクール卒業生の就職先は本当にSESばかりなのか

正直に言うと、「無料スクール卒業生はSESばかりに就職する」という言説は、半分正しく、半分間違っています。筆者はフリーランスのシステムエンジニアとして19年間、数百名の若手エンジニアや無料スクール卒業生と仕事をしてきました。実際には多様なキャリアパスが存在するのです。

無料スクール卒業生の就職先構成(2026年現在)

2026年の時点で、無料プログラミングスクール卒業生の進路は以下のような分布になっています。

進路区分 割合 特徴
SES企業 約40~50% 案件紹介型、比較的採用しやすい
事業会社の情報システム部 約20~25% 自社システム運用・保守、安定志向
システムインテグレーター 約15~20% 大規模案件、要件定義から関わる
フリーランス・個人事業主 約10~15% 直請案件、単価高い傾向
未就職・進路変更 約5~10% 適性判断後の転向など

つまり、SESが大多数というわけではなく、約4割程度に留まるというのが実態です。

なぜSESが多いと感じられるのか

それでも「SESばかり」という印象が広がるのには、理由があります。

第一に、無料スクール卒業時点での技術レベルです。正直に申し上げると、6ヶ月~1年程度の無料スクールでは、企業内SE職に求められる「既存システムの複雑性を理解する力」や「業務知識」が不足しています。SES企業は「未経験者をプロジェクトに投入し、現場で鍛える」というモデルなので、採用ハードルが相対的に低いのです。

第二に、採用市場の問題です。2026年時点で、事業会社の情報システム部の中途採用は極めて限定的です。筆者が知る大手企業の情報システム部でも、年間採用は0~3名程度。一方、SES企業は常に人員補充を急いでいるため、スクール卒業生でも「採用される体験」を得やすいのです。

SES就職のメリットとデメリット

SES企業への就職を選択することの実際的なメリットは以下の通りです。

  • 多様な業界・技術スタックを経験できる
  • 案件を通じた実務スキルの習得が速い
  • キャリアの選択肢が広がりやすい
  • 給与は中堅企業の事業会社とほぼ同等(基本給22~28万円程度)

一方、デメリットも存在します。実際に見聞きした事例を挙げます。

  • 案件ガチャのリスク:配属案件によって技術習得の質が大きく異なる。保守業務ばかりだと成長が鈍化
  • 単価が同じエリアでも、事業会社の内部SEより月額30~50万円低い傾向
  • 3年経っても「プロジェクト対応」の枠から抜けられず、昇進難
  • 離職率が高く、同期が2年で散り散りになることが多い

筆者が2020年に関わった元スクール卒業生(仮名:A氏)は、SES企業に就職後、3つのプロジェクトを経験しました。第一案件は金融機関の基幹システム運用で業務知識が深まりましたが、第二案件は単純なテスト業務ばかり。結果として、彼は1年10ヶ月で退職し、フリーランスへ転換しています。

事業会社・システムインテグレーターへの道

無料スクール卒業直後の事業会社就職は難しいのが実態ですが、道がないわけではありません。筆者が知る事例として:

  • SES企業で2年間スキルを磨いた後、事業会社へ転職:給与+15~25万円アップ
  • スクール卒業後、派遣社員として事業会社で6ヶ月働き、その後正社員化
  • ベンチャー企業の「未経験OK」枠で採用され、実務を通じたキャリア形成

2026年現在、ベンチャー・スタートアップでは「未経験から育成」という企業も増えており、必ずしもSESを経由する必要はなくなってきています。

フリーランスという選択肢

実は、無料スクール卒業後1~2年でフリーランスへ転進する人も増えています。筆者自身も19年間フリーランスですが、これは一つの合理的な選択肢です。

2026年の相場は、スキルに応じて月額40~80万円程度。給与換算では年500~1000万円相当です。ただし、以下のリスクも認識する必要があります。

  • 案件獲得に失敗すると収入が途絶える
  • 会社員のような福利厚生や年金上乗せがない
  • 経理・税務を自分で管理する手間
  • 最初の1~2年は単価が低く、月額20~30万円程度に留まることも多い

正直に言うと、無料スクール卒業直後のフリーランス化はお勧めしません。最低でも1~2年の正社員経験(SESでも事業会社でも良い)を積んでから、案件獲得のネットワークを構築した上で独立する方が無難です。

2026年の転職相場と現実的なキャリアパス

参考までに、2026年時点の年収相場を示します。

職種・企業形態 月給(基本給) 経験年数
SES企業の若手SE 22~28万円 0~2年
事業会社の内部SE(新人) 24~32万円 0~2年
ベンチャー企業のエンジニア 25~35万円 0~2年
SES企業→3年目 28~38万円 3年
事業会社→3年目 32~45万円 3年

実際のところ、現在地点でのキャリア選択が5年後の年収に100万円以上の差をもたらします。

後悔しないための「次のステップ」

無料スクール卒業を控えた皆さんへ、筆者からのアドバイスです。

第一に、SES企業だから悪いわけではないと認識してください。入社後に「案件選択」「技術習得の意識的な積み重ね」「2~3年で事業会社への転職」という主体的な行動が取れれば、キャリアは十分形成できます。

第二に、スクール在学中から、自分が何をしたいのか、どのキャリアパスが自分に適しているのかを、実際の社会人エンジニアに相談することです。スクール講師ではなく、実務経験者の話を聞く方が、現実的な判断ができます。

第三に、給与額だけでなく、「案件内容」「先輩エンジニアのレベル」「キャリアサポート体制」などを、面接時に質問し、見極めてください。

就職先決定は人生の大きな岐路です。SESか事業会社かという二者択一ではなく、自分のキャリアビジョンに合った選択をしていただきたいと思います。

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