プログラミングスクールの現実|新卒が知るべきデメリット
筆者はフリーランスSEとして19年間、採用面接や部下指導に携わってきました。その経験から見ると、プログラミングスクール利用者の多くが「期待と現実のギャップ」に直面しています。正直に言うと、スクールはすべての新卒にとって最適な選択肢ではありません。今回は、業界歴19年だからこそ語れる、プログラミングスクールの実際のデメリットをお伝えします。
デメリット①:費用が高すぎるわりに実務スキルが身につかない
2026年現在、多くのプログラミングスクールは以下の料金体系です:
- 3ヶ月コース:30〜50万円
- 6ヶ月コース:50〜100万円
- 転職保証付きコース:60〜150万円
実際には、3ヶ月で「実務で使えるレベル」に到達する人はほぼいません。筆者が採用面接で見たスクール出身者の多くは、「チュートリアルは完了したが、自分で0から設計・実装できない」という状態でした。つまり、高額な費用を払ったのに、企業研修と同じレベルの基礎知識しか得られていないのです。
デメリット②:実務と教材にズレがある
プログラミングスクールの教材は、「理想的で単純な環境」を前提に作られています。実際の業務では以下のようなことが起こります:
- レガシーコード(10年前のコード)の保守が必要
- 教材では習わないフレームワーク・言語が現場で使われている
- 仕様書が不完全で、クライアント対応が発生する
- デバッグに数時間かかることが日常茶飯事
スクール講師の多くは、実務経験が浅い人が多いのが実態です。筆者の知人のスクール講師(経験3年)は「生徒には『完璧なコードを書こう』と教えていますが、実は私も現場ではプルリクをレビューされまくっています」と話していました。
デメリット③:就職後のギャップが大きすぎる
プログラミングスクールを卒業して企業に入ると、次のような現実が待っています:
| スクールで習うこと | 実務の現実 |
| JavaScriptの基礎 | TypeScript + React + Redux + Webpack + CI/CD |
| SQLの書き方 | ORMの使い方、複雑なクエリチューニング、マイグレーション管理 |
| Gitの基本コマンド | ブランチ戦略、マージ競合の解決、コミットメッセージの規約 |
| 個人開発環境 | チーム開発、コードレビュー、テストコード作成、ドキュメント管理 |
スクール卒業後の最初の3ヶ月は、スクールで習ったことのほぼ2倍以上の新しい知識を習得する必要があります。多くの新卒はここで心が折れるか、徹夜を重ねることになります。
デメリット④:転職保証は名ばかり
「転職保証」をうたっているスクールもありますが、実態は以下の通りです:
- 紹介される企業の多くはSES企業(システムエンジニアリングサービス)で、給与・待遇が低い
- 実際には「保証」ではなく「紹介」であり、内定の保証ではない
- 給与相場:月20〜25万円(大卒初任給と同等以下)
- スクール終了後に条件の悪い企業しか紹介されない場合もある
筆者が面接で会った人の中には「スクール費用60万円を払ったのに、年収240万円の企業に配置された」という人もいました。投資回収に5年以上かかることになります。
デメリット⑤:同期ネットワークがない
大学や企業の研修とは異なり、プログラミングスクールの同期は「ただの金銭関係」です。実際には:
- スクール終了後、同期とのネットワークはほぼ活用されない
- キャリアの相談相手や技術情報の交換相手がいない
- 企業研修のような「同期入社の絆」がない
では、どうすべきか|新卒向けの現実的な選択肢
筆者の19年間の経験から、以下のステップをお勧めします:
- 大学の授業でプログラミング基礎を学ぶ(無料) → 30時間程度で十分です
- Progateなどの無料・低額サービスで自学自習(月1,000円程度) → スクール費用の1/100です
- 新卒採用で「未経験OK」の企業に応募 → 企業の研修費用で学べます
- 入社後、実務を通じて技術を磨く → これが最速で最も効果的です
実際に、筆者が知る優秀なエンジニアの多くは「スクールを使わず、独学と企業研修で育った」という人です。2026年現在、プログラミングの基礎知識はインターネットで無料で得られます。高額費用を払う理由はありません。
最後に
プログラミングスクールの広告には「3ヶ月でエンジニアに!」という謳い文句がありますが、正直に言うと、これは幻想です。ただし、スクール利用が完全に無意味なわけではありません。「自分で学ぶ意志がない」「環境とお金で強制する必要がある」という人には、モチベーション維持の効果があります。
ただし、少しでも自分で学ぶ意志があれば、無料・低額の教材で学んで、未経験OK企業に新卒入社する方が、長期的なキャリアと経済効率の両面で圧倒的に有利です。
プログラミングスキルは「学校で習う」ものではなく、「仕事を通じて習得する」ものだと筆者は確信しています。今から行動を開始しましょう。
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