クラウドエンジニア転職の正直なデメリット〜現実を知らないと失敗する
クラウドエンジニアへの転職が話題になって久しいですが、実際のところ「やめておいた方がいい人」も多くいます。筆者はフリーランスSE歴19年で、この業界の浮き沈みを何度も見てきました。この記事では、YouTube や転職サイトでは絶対に言わないクラウドエンジニア転職の本当のデメリットをお伝えします。
年収が下がる可能性が高い〜特に未経験は危険
最初に言い切りますが、未経験からのクラウドエンジニア転職は年収が下がる確率が60~70%です。転職エージェントは「クラウドスキルで年収アップ」と謳いますが、これは経験者向けの話です。
2026年現在の相場では以下の通りです。
| ポジション | 初年度年収(東京) | 3年目想定 |
| 未経験クラウドエンジニア | 280~350万円 | 380~480万円 |
| 経験者クラウドエンジニア | 450~550万円 | 600~800万円 |
| 従来型SE(システムインテグレーター) | 350~450万円 | 500~700万円 |
実際には、前職が450万円以上あった人がクラウドエンジニアになると、初年度は280~320万円になるケースが珍しくありません。「3年後に追い抜く」という話をされますが、その3年間を我慢できるかどうかが問題です。家ローンがある人、扶養家族がいる人には極めて危険な転職です。
クラウドの学習が終わらない〜スキルの賞味期限が短い
AWS、Azure、GCPの3大クラウドサービスは、毎月のようにアップデートが発表されます。筆者の知人のクラウドエンジニアは「新機能を学ぶペースが開発速度に追いつかない」と嘆いていました。
特にやっかいなのは以下です。
- 新サービスの追加:毎月5~10個の新サービスが加わる
- 旧サービスの廃止:学んだ技術が2~3年で使えなくなることも
- ベストプラクティスの変更:去年の「正解」が今年の「負債」になる
- 認定資格の更新:AWS認定は3年の有効期限。常に勉強が必要
従来のSEが古い技術でも職を失いにくいのに対して、クラウドエンジニアは「最新の知識」を持っていないと市場価値が一気に下がります。平日の夜間学習が必須になる覚悟が必要です。
職場での期待値ギャップ〜オンプレSE出身者との軋轢
多くのクラウド案件に配属されると分かりますが、既存のオンプレミス・オンプレSEから妙な嫌がらせを受けます。
実例を挙げます。
- 「クラウドなんて簡単だからこその値段が安い」という根拠のない発言
- 障害が起きた時「クラウドだから仕方ない」と責任を押し付けられる
- 予算折衝で「クラウドコスト最適化」を厳しく求められる一方、オンプレサーバー維持費は不問
- クラウドに詳しいがゆえに「君に任せるから全部やって」と属人化させられる
筆者が接した40代のオンプレSEの中には、クラウド技術の台頭を職人技の衰退と感じている人が少なくありません。その鬱憤が新人クラウドエンジニアに向かうケースが多々あります。
案件単価の変動が大きく、月収が不安定
特にフリーランスや派遣でクラウドエンジニアになる場合、単価の下げ圧力が強いです。
| 案件タイプ | 月単価(手取り目安) | 単価変動 |
| 未経験向けインフラ保守 | 40~60万円 | ±20万円 |
| 中堅クラウドエンジニア | 70~100万円 | ±15万円 |
| 上級者(アーキテクト) | 120~180万円 | ±10万円 |
2024年~2025年は市場が供給過剰になり、相場が15~20%下がりました。2026年も厳しい状況が続いています。会社員なら給与は安定していますが、フリーランスは案件が途切れたら無収入です。
適性がない人ほどクラウドに飛びつく
筆者が見てきたクラウドエンジニア転職の失敗者に共通する特徴があります。
- 「手に職つけたい」という思い込み:クラウドは概念であり、職人技ではない
- 「AI時代に古い技術は不要」という恐怖感:オンプレSEが全滅するわけではない
- 「3ヶ月で転職」という楽観的な学習計画:実務レベルには最低1~2年必要
- ネットの成功事例だけを信じる:失敗者はSNSに顔を出さない
実際には、クラウドに向いている人は「インフラの基礎がある人」「学習好きな人」「単調な作業が苦にならない人」です。プログラミングがしたい人、創造的な仕事がしたい人は、クラウドエンジニアではなくバックエンド開発エンジニアを目指すべきです。
次のステップ〜転職前に必ずやっておくこと
それでもクラウドエンジニアを目指すなら、以下を最低限の準備として実施してください。
- 現在の年収が本当に下がるのか試算する:転職エージェントに「初年度の正確な相場」を複数社から聞く
- AWS認定資格の勉強を3ヶ月続ける:続かなかったら向いていない
- 実務経験者に職場の現実を直接聞く:転職サイトの「やりがい」コメントは信用しない
- 今の職場でインフラを担当する機会を作る:クラウド転職する前に基礎を固める
- 貯蓄を6ヶ月分用意する:案件が途切れても食いつなげる財力を準備する
筆者は決してクラウドエンジニアを否定しているわけではありません。むしろ、準備と覚悟がある人なら、クラウドエンジニアは良い選択肢です。ただし「今のキャリアから逃げるため」「年収を上げたいから」といった安易な理由では、確実に失敗します。
この記事を読んで「それでもやってみたい」と思えたなら、あなたはクラウドエンジニアになる適性がある可能性が高いです。まずは上記の5つのステップから始めることをお勧めします。
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