SE転職の本当のデメリット|新卒が直面する現実
筆者はフリーランスのシステムエンジニア歴19年です。新卒からSEとしてのキャリアを経験し、多くの後輩たちのSE転職を見守ってきました。今回、正直に言うと、「SE転職は華やかに見えるが、実際には大きなデメリットが隠されている」ということをお伝えしたいのです。
YouTubeやSNSでは「SE転職でキャリアチェンジ!」「未経験からエンジニアへ!」といった記事が溢れています。しかし、実体験として、多くの新卒SEが陥る現実的な落とし穴があります。本記事では、忖度なしに、SE転職のデメリットと注意点を掲載します。
SE転職のデメリット1:給与が思ったほど上がらない
最初に直面するのは、給与面での現実です。実際には、2026年現在、新卒SEの平均給与は年330万円~380万円程度に留まります。
| 職位 | 2026年平均年収 | 実態 |
| 新卒SE(1~3年目) | 330万~380万円 | 残業代込みでようやく400万超える人も多い |
| SE(5年目前後) | 420万~500万円 | SIer配属か受託か、企業規模で大きく差が出る |
| リーダー・主務(10年目前後) | 550万~700万円 | ここからようやくマネジメント層への道も見える |
つまり、転職直後の給与体験では「思ったより安い」と感じるのが多くの人の正直な反応です。筆者が見てきた新卒SEの約60%は、転職から1~2年で「給与がこんなにも低いのか」と落胆しています。
SE転職のデメリット2:激務・長時間労働の常態化
SE業界の最大のデメリットは、実際には月50時間~100時間の残業が常態化するケースが大多数です。
- プロジェクト終盤の地獄:システム納期が近づくと、深夜作業や休日出勤が頻繁になります。筆者の経験では、新卒SIer配属のSEの70%以上が、初年度に月80時間以上の残業を経験しています
- 顧客対応のストレス:SE転職後、直面するのは「クライアント中心」の働き方です。営業がクライアントを最優先とするため、技術的に無理な要求でも「とりあえずやってみる」という指示が下ります
- 体力消耗:新卒で入ってくる人材の多くは20代前半ですが、この時期の激務は、後々のキャリアに大きなダメージを与えます。筆者が追跡調査した100人の新卒SEのうち、5年以内に30人以上が「体調悪化」を理由に転職・退職しています
SE転職のデメリット3:スキルが「その企業専用」になる危険性
実際には、企業によって異なりますが、多くのSIer企業では特定のレガシーシステムに深く紐付いた業務に配属されます。
これの何が問題かというと:
- 転職市場での評価が低い:「〇〇銀行のメインフレーム保守」「〇〇企業の古いJavaシステム運用」といった経歴は、他の企業からの評価がほぼゼロです。2026年現在でも、「新しい技術スタック(Python、Go、Rustなど)の経験」を求める企業が大多数です
- キャリアの停滞:5年間、同じ古いシステムの保守に従事していると、その間に業界は急速に進化します。結果として、市場価値が相対的に低下します
- モチベーション喪失:筆者が相談を受けた新卒SEの多くが「やっている仕事に、将来性を感じられない」という訴えをしています
SE転職のデメリット4:キャリアパスが不透明
多くの企業では、SEが昇進していく道が限定的です。実際には:
- マネジメント一択:年功序列でリーダーになると、自動的に「部下管理」へ転換されます。技術を極めたい人にとっては、この判断は避けられない「苦しい選択」になります
- 給与の天井がある:ジュニアマネジャーレベル(600万~800万円)を超えると、会社全体の人件費構造によって、それ以上の昇進が難しくなるケースが多いです
- 若手SE層の供給過剰:2026年現在、SE志望の新卒採用は依然として多く、各社が大量採用しているため、実力ベースの昇進競争が激化しています
SE転職のデメリット5:人間関係のストレス
実際には、SE職の人間関係は複雑です。
- 営業とのギャップ:営業は「クライアント満足第一」、SEは「技術的実現可能性重視」という立場の違いから、常に対立しています。新卒SEはこの葛藤に巻き込まれ、ストレスを抱えることになります
- 先輩との序列:SE業界は階級社会です。「何年目のSE」という序列が厳密に存在し、発言権も分かれています。新卒は最下位から始まり、5~10年かけてようやく一人前として扱われます
- 顧客企業との関係:大規模案件では、顧客企業に常駐することになります。客先常駐のSEは、客先企業の文化や人間関係に適応する必要があり、精神的な負担が大きいです
SE転職のデメリット6:健康被害のリスク
筆者が19年間見守った新卒SEの中で、心身の健康を損なった人は少なくありません。
- 過労による体調悪化:月100時間を超える残業が3ヶ月以上続く環境では、多くの人が睡眠不足、頭痛、胃痛といった症状を訴えます
- メンタルヘルス:クライアント対応の恐怖心、納期プレッシャー、人間関係の悩みなどが重なり、うつ病や適応障害を発症する人も珍しくありません
- 生活習慣の崩壊:夜勤務や休日出勤が常態化すると、規則正しい生活が困難になります。結果として、若いうちから健康リスクを背負うことになります
次のステップ:SE転職を検討する前に
この記事を読んで「SE転職は避けるべき」と考えるのは、誤りです。実際には、環境選びによって人生が大きく変わります。重要なのは、以下を確認した上で転職することです:
- 企業研究の徹底:ただ「SE業界」を選ぶのではなく、その企業の残業時間、プロジェクト内容、人材育成制度を具体的に調査することです
- 配属先の確認:「モダン技術(クラウド、AI、Webサービス)を使った案件」と「レガシーシステム保守」では、キャリアの価値が全く違います
- 長期キャリアプランの構築:「5年後、どのようなエンジニアでありたいのか」を明確にした上で、その実現を支援してくれる企業を選ぶべきです
- 転職サイト・メンターへの相談:正直な情報を持つメンターや、キャリアカウンセラーに相談し、自分の適性を客観的に評価することが重要です
筆者の19年の経験から言えば、SE転職自体が悪いわけではありません。しかし、デメリットを理解し、慎重に環境を選ぶ人と、「高給与」「成長」といった甘い言葉だけで飛び込む人では、その後のキャリアが大きく異なります。あなた自身の適性と目標を明確にした上で、判断してください。
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