システム移行
システム移行とは、運用テストが完了したシステムを実際の本番稼働環境へ移す工程です。
「本番リリース」「カットオーバー」などとも呼ばれます。
システムエンジニアにとっては一番の緊張感を強いられる工程ですが、これを乗り切ってシステムが安定稼働すれば、ようやく一息つくことができます。
システム移行計画の作成
システム移行は「システム移行計画書」に沿って作業を行います。
通常は移行の数か月前から「システム移行計画」を策定していきます。
ただ、大規模なシステム移行、たとえば銀行合併によるシステム移行などでは数年もの年月をかけて慎重に移行計画を練ることもあります。
システム移行計画には、おもに以下の内容を記載します。
基本方針
システム移行の基本的な方針を記載します。
全体スケジュール
計画段階から移行後までの予定を記載します。
タイムチャート
システム移行当日の詳細なスケジュールを表します。
システム構成図
システムのどの部分を移行するのかを明示的に示します。
体制図
誰がどこで移行対応を行うかといった役割分担を明らかにします。
検証計画
システムを移行した後にどのような検証を行うのかを記載します。
コンティンジェンシー計画
事前に想定される障害を洗い出し、万が一、その障害が発生した場合に、被害を最小限に抑えるための対応内容を記載します。
その他、必要に応じてデータ移行方法や本番リリース後の重点監視期間の考え方などについても記載します。
移行リハーサルの実施
昨今のシステム開発では、全てをゼロから構築する方式、いわゆる純新規のシステム開発は少なくなりました。
というのも既に今の業務で何かしらシステム化がなされていることが多いためです。
そのようなシステムでは、旧システムで利用していたデータやファイルなどを新システムへ移行しながら、新システムの本番切替を進めていく必要があります。
移行に際しては旧システムと新システムでは製品のバージョンが異なっていたり、データベースであつかう文字コードが変わっていたりすることがあるため、本番の移行を実施する前に何度かリハーサルを実施して、正しく動くことを検証します。
システム移行の実態
通常、システム移行は業務を行わない休日や夜間に実施するケースが多くあります。
特に年末年始にシステム移行やメンテナンス作業を実施することが多く、お正月をマシン室で迎えることも少なくあ
りません。
このようなシステム移行のための休日出勤が多いこともシステムエンジニアが多忙なイメージを抱かれる要因のひとつなのかもしれません。
ただ、最近では休日に出勤した場合は振替休日をもらえる会社がほとんどですので、トータルの作業時間で見ると、他の業界と比べてそれほど稼働が高いというわけではありません。
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