システムエンジニアの資格
資格の価値
医師や弁護士になるためには資格が必要ですが、システムエンジニアになるために資格は必要ありません。「今日から私はシステムエンジニアです」と宣言すれば、すぐにでもシステムエンジニアになれます。
システムエンジニアにとっての資格の位置づけは「スキルを客観的に示す材料」という程度のものでしかありません。
こう書いてしまうと「資格を取得する意味がないんじゃないか」と思われるかもしれませんが、初心者の方にとっては資格を取得するメリットはたくさんあります。
資格を取得するメリット
SEの基礎的な知識を身につけることができる
資格を取るために勉強することで、システム開発に必要な基礎知識を身につけることができます。
たとえば基本情報技術者試験であれば、コンピュータの仕組み、2進法、システム開発工程、プログラム言語など、システムエンジニアとして仕事をするうえで最低限知っておくべき内容を効率よく勉強することができます。
資格手当がもらえる&昇進に有利
資格を取ることで報奨金や月々の資格手当を出す企業は多いです。
実際に私がかつて在籍していた会社では基本情報技術者で月5千円、応用情報技術者で月1万円、上位のスペシャリスト資格では月3万円の手当が出ていました。
なかには資格に合格するだけで10万円もの報奨金を出してくれる太っ腹な会社もあるそうです。
最近では、課長や部長に昇進するために、上位のスペシャリスト資格を取得することを最低条件としている会社も多くなってきています。
面接に強くなる
システムエンジニアはお客様の企業に常駐する形でシステム開発プロジェクトに関わることが多いです。そして、プロジェクト参画時には必ずと言っていいほど、常駐先の担当者との面接があります。
面接において、資格は客観的な判断材料になりますし、自分をアピールする材料にもなります。
実際、私も第1種情報処理技術者(今でいう応用情報技術者)を取っていたので、これまでの面接で不採用となることはありませんでした。
また常駐先の面接だけでなく、将来的に転職でステップアップしたいと考えている人にも、資格は強力な武器になります。
このように、システムエンジニアが資格を取るメリットはたくさんあります。
もしあなたがまだ資格をひとつも持っていないなら、まずは基本情報技術者を目指してみてはいかがでしょうか。数カ月間、しっかり勉強すれば誰でも取ることができると思います。
もちろん資格がないからといってシステムエンジニアになれないわけではありませんが、持っておいて損することはないので、ぜひチャレンジしてみてください。
システムエンジニアの資格の種類
ここではシステムエンジニア初心者が取得しておいたほうがよい代表的な資格を紹介します。
システムエンジニアの資格には国家資格である情報処理技術者とベンダー系の資格があります。
情報処理技術者試験
情報処理技術者は経済産業省が認定する国家資格です。
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が運営しています。
試験は春秋の2回です。
5千円程度で受験できます。
ITパスポート(IP)
ITを利用・活用する社会人に求められる基礎知識があることを認定する資格です。
コンピュータや情報処理の知識が全くない方なら取得してもよいですが、正直、IT企業の採用面接では武器にはなりません。
ある程度の知識がある方であれば、飛ばしてもいいと思います。
基本情報技術者(FE)
高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けたことを認定する資格です。システムエンジニアになりたいなら、まずはこの資格取得を目指しましょう。
多くの人が受験するので、問題集や解説本も充実しています。
オススメの参考書(基本情報技術者)
応用情報技術者(AP)
基本情報技術者に合格した人が次に目指す資格です。
対象者は「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」だそうです。
難易度はかなり高くなりますので、しっかりと勉強する必要があるでしょう。
オススメの参考書(応用情報技術者)
上位資格
上位資格は分野が絞られ、より深い専門的知識が必要となります。当然ながら、難易度は非常に高くなります。
- ITストラテジスト(ST)
- システムアーキテクト(SA)
- プロジェクトマネージャ(PM)
- ネットワークスペシャリスト(NW)
- データベーススペシャリスト(DB)
- エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)
- 情報セキュリティスペシャリスト(SC)
- ITサービスマネージャ(SM)
- システム監査技術者(AU)
これらの資格はシステムエンジニアとして経験をある程度積んで、自分が目標とする技術的な分野が決まったときに選んでも遅くはないでしょう。
なお数年に1度、試験区分の改訂がありますので、最新の情報はIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)のホームページをご確認ください。
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ベンダー系資格
ベンダー系資格とはマイクロソフトやオラクルなどの製品ベンダー企業が独自に認定している資格試験を指します。
代表的には以下のようなものがあります。
マイクルソフト製品 |
MCP、MOS |
---|---|
オラクルのデータベース |
Oracle Master |
IBMのデータベース |
IBM DB2グローバルマスター |
Linux |
LPIC |
Java開発 |
OJC |
ネットワーク |
Cisco技術者認定 |
初心者が目指すべきベンダー系資格とは
あまりパソコンに詳しくなく、ゼロベースから勉強したい!という方なら、「MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)」という資格がオススメです。
「MOS」はオフィス製品の基本的な操作ができることを証明する資格です。
こちら「これだけは覚えておきたい 〜 仕事で使うアプリケーション」の記事の中でも書いていますが、SEが作るシステムの設計書やテスト仕様書は「エクセル」や「ワード」などのオフィス製品で作られていることが多いです。
また、会議などの説明で使用するプレゼンテーション資料は、ほぼ「パワーポイント」で作られています。(体感で9割以上)
いまや、オフィス製品を使いこなせる、というのはエンジニアにとって最低限の必須スキルです。
そのため「エクセルやワードの基本操作が分からない」という方がシステム開発の現場に来られても、残念ながら活躍することは難しいと思います。それ以前に書類選考で落ちる可能性が高いです。
しかし、この最低限のスキルがまだない方でも、「MOS」を勉強する過程で資格取得に必要な知識を身につければ、おのずとエクセルやワードの基本操作をマスターできます。
その他のベンダー系資格、オラクルやCiscoなどの資格は、その製品を利用している仕事に関わっていたり、より専門的な知識を手に入れたいのであれば取得してもよいと思いますが、そうでなければ急いで取得する必要はないでしょう。
システムエンジニアを目指す人が読んでおくべき書籍
質問したいことがあればエンジニア特化型Q&Aサイトへ
まったくの初心者の方が資格を取得するための近道
そもそもコンピュータってどんな仕組みで動いてるの?
CPU、メモリ、ハードディスクってどんな役割があるの?
システムとソフトウェアって何が違うの?
システムの開発工程って何?
プログラミング言語ってどんな種類があるの?
もしあなたが、このような質問に即答できないなら、資格対策講座に通うのもひとつの手です。
もちろん独学での勉強でも合格することはできますが、分からないことや専門用語をいちいちネットで調べるよりも、知っている人がそばにいる環境で学ぶほうが圧倒的に早く知識を身につけることができます。
参考書を見ても何を書いているかさっぱり分からない
初心者なので基本的なことから教えてほしい
独学だと挫折するかもしれない・・・
このような悩みをお持ちなら、自分への投資と割り切って、資格の学校に通ったほうがいいかもしれないですね。
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