取引先との契約前にこれだけは決めておきたい5つのポイント
税務署への個人事業主の届出が済んだら、いよいよ事業を開始することになります。
システムエンジニアとして独立すると決めた時点で、恐らく取引先候補は数社に絞れていると思います。
もしこの時点で取引先候補が1つもなければ、まずはエージェントに案件を紹介してもらう方向で考えましょう。
取引先との契約に向けては、営業担当者と打ち合わせを重ねて詳細な契約内容を詰めていくことになります。
初めての方は、何から決めていけばよいか分からないと思いますが、以下の5つのポイントを確認しておけばOKです。
契約までの事前交渉
単価
1カ月の報酬を取り決めます。
こちらの記事「独立を目指すSEへ 〜 フリーランスSEの年収相場」でも書いたように、フリーのエンジニアが受け取る報酬の相場は一般的にプログラマで「40〜60万」、システムエンジニアで「60〜80万」くらいです。
現実的な単価を頭に入れつつ、なるべく自分の希望が通るように交渉を進めましょう。
また、メジャーリーガーの代理人のように、最初は少し高額な単価を提示して徐々にすり合わせていく、というのも交渉テクニックの一つです。
交渉相手に気を使ったり、謙遜しすぎたりして、最初から少ない金額を提示すると、安い単価で決まってしまうこともあります。
「もう少し高い単価でもいけたんじゃないか」というふうに後で後悔することになりかねません。
特に「謙虚なシステムエンジニア」は要注意です。
フリーランスのエンジニアは自分自身が商品ですから、その商品価値をしっかりアピールして相応の報酬を得られるようにしましょう。
作業時間の上限時間や下限時間、超過時間や控除時間の料金などもこのタイミングで決めていきます。
仕事内容
どのようなシステムを開発するのか、といったプロジェクトの内容やプロジェクトの中で自分が求められている役割を確認します。
取引先の担当者から、システムの設計をするのか、プログラムを書くのか、プログラム言語は何なのか、OSやミドルウェアの種類は何か、などを聞き出して、自分の経験や得意分野が生かせる仕事かどうかを、じっくり吟味しましょう。
また、全く未経験の業界のシステムを担当するのは、できるだけ避けたほうがよいと思います。なぜなら、フリーのエンジニアは即戦力として求められていることが多いからです。
万が一、自分があまり得意ではない仕事を担当してしまい、取引先に「戦力にならない」と判断されたら、即、契約を打ち切られることもあり得ます。
ですので、自分のスキルにマッチしているかどうかは十分に確認しましょう。
仕事場所
SOHOなど自宅での作業を希望される方も少なくはありません。
ただ、最近では情報漏洩リスクの観点から、自宅に資料やデータを持ち帰って仕事をすることは、まず不可能と思ってもらってよいでしょう。
そのため、通常は取引先の企業に常駐する形で仕事することになると思います。
仕事場所への通勤にかかる交通費は単価の中から自分で支払うことになりますので、定期代などは確認しておきましょう。
また、仕事場所が通勤圏外であれば、滞在費用や滞在場所などを取引先と調整する必要があります。
契約期間
通常は1カ月や3カ月単位で契約を交わすことが多いです。
取引先の担当者と取り決めておきましょう。
次の契約がない場合の取り決め
常駐先のプロジェクトが終了するなどして契約期間が終われば、契約も終了となります。
ただ、いきなり契約を打ち切られてしまうと、次の仕事が見つかるまで無収入となってしまいます。
急に仕事を探し始めても希望する仕事が見つからないこともありますし、運よく見つかったとしても、その後の面接や事務手続きなどで、プロジェクト参画時期が遅くなることもあります。
そのため、次の仕事を見つける期間を確保するために、「遅くとも契約期間が満了する1か月前までに、契約を更新するか終了するかを連絡いただく」ということを取引先と必ず合意しておきましょう。
契約書の種類
システムエンジニアが企業と契約する際にはいくつかの契約書や書類を交わす必要があります。
ここでは実際に私が使用している書類をサンプルとして載せています。
よければ、ご自由にお使いください。
最初に交わす契約
企業によって異なりますが、基本的には以下の契約を最初に取り交わします。
通常は、発注する側の企業が作成しますので、記名・押印のうえ、返送しましょう。
業務委託基本契約書サンプル(ワード)
業務委託基本契約書サンプル(PDF)
機密保持契約書サンプル(ワード)
機密保持契約書サンプル(PDF)
契約する期間毎にやり取りする書類
まず、取引先から見積もり依頼書をもらいます。
見積もり依頼書には案件名や作業期間、作業場所、納品物などが書かれています。
事前に調整した内容と相違がないかを確認のうえ、見積もり書を作成し、取引先に送付します。
見積もりの内容に問題がなければ、取引先から「業務委託書」が送られてきます。
受注する側のエンジニアは取引先へ「業務受託書」を返却します。
個別業務委託契約書サンプル(エクセル)
個別業務委託契約書サンプル(PDF)
個別業務受託契約書サンプル(エクセル)
個別業務受託契約書サンプル(PDF)
「業務受託書」の返送をもって、契約を締結したことになります。
アバウトな会社では、これらの書類のやり取りを口頭で済ませてしまうこともありますが、「言った」「言わない」など、あとあとトラブルのもとになりますので、きっちり書面に落として、契約書として交わしておきましょう。
便利なクラウド請求書作成サービス
最近ではWEBサイト上でとても簡単に請求書を作ることができるサービスがあります。
クラウド請求管理サービス「Misoca(みそか)」というサイトでは初期費用、月額利用料が無料で請求書・見積書・納品書の作成・管理が可能です。
PDFでダウンロードやメール送信ができるのはもちろん、面倒な郵送業務がワンクリックでできるので、とても便利ですよ。
【初期費用0円!月額利用料0円!】クラウド請求書・見積書・納品書管理サービス Misoca(みそか)
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