相見積もりで単価の妥当性を確認する
ユーザー企業の情報システム部門がシステム開発ベンダーに開発を依頼するときに、複数のベンダーに見積もりを依頼することがあります。
これを「相見積もり」と呼びます。
この「相見積もり」を行うことで、システムエンジニアの単価の妥当性や、システムの価格の妥当性を確認することができます。
ただ、「相見積もり」を行うときに注意しておかなければならないポイントがいくつかあります。
このポイントを知っておかないと、必要以上にコストがかかったり、逆に、コストは安く済んでもバグだらけのシステムが出来上がってしまうことになります。
ここでは、相見積もりで失敗しないポイントを押さえておきましょう。
自社のITレベルを知ってもらう
相見積もりでベンダーと交渉する際は、自社のIT知識をかいかぶらず、正直に伝える必要があります。普段から付き合いのあるベンダーなら問題ないですが、相見積もりには通常、初めて見積もりを依頼するベンダーも含まれることも多いです。
見積が初めてのベンダーは、発注する側のIT知識やIT導入レベルに合わせて、製品の選定や開発工数の見積もりを行います。そのため、正確な見積もりをしてもらうためには、自社のITレベルを丁寧に説明して理解してもらうことが重要です。
そのうえで複数ベンダー、できれば3社くらいに相見積もりを依頼しましょう。
見積内容の不明点は必ず確認する
見積の内容は1項目ずつ確認し、要不要、過不足を評価・検討しますが、そのときに分からない項目があれば必ず聞きただしてください。
また、そのやり取りでこちらのレベルが相手に大体分かってもらえるようになるので、ミスマッチを防ぐこともできます。同時にユーザー側の視点として、相手のレベルを見極めることも忘れてはいけません。
自社主導でベンダーを取捨選択する
見積もりを確認する過程で、ユーザー側が分からないことも多く出てきます。
しかし、ここで相手に主導権を渡してはいけません。
分からないことがあればベンダーを質問攻めにしてでも理解することが重要です。なぜ「安いA」でなく「高いB」なのか、その根拠は何なのか、自社にとって過剰ではないのか、費用対効果は出るのか、などを徹底的に確認します。
その上で、見積もり項目の取捨選択はベンダー側ではなくユーザー側がするようにします。
ベンダーはまず、過剰な機能を盛り込んで見積もってくるのが普通です。どの項目も、あれば良い・助かる・安全・便利なので必要と思いがちですが、予算のこともあるので、過剰な機能は見積もりから外します。さらに、自社の要求も不要なところがあれば削る努力をしましょう。
そうして、方向修正を繰り返しながら自社に最適なシステムを見つけていきます。
的を絞って値切り交渉する
依頼した3社の見積もりが、同じくらいの内容になったら、見積もりの比較がしやすくなります。
後は価格・技術力・納期・品質を比べてターゲット社を内定します。
そして、改めて「ここから」値切り交渉を始めるわけです。
ここから先の値切り方は値切る人の人柄や交渉テクニックに頼る部分が大きくなります。
落札できなかった相手にも御礼する
今回、採用に至らなかったベンダーさんには、まずは見積もり御礼を伝えるようにしてください。
その後、きっちりとした説明をして納得してもらいましょう。
「今回はご縁がなく残念でしたが、出来れば貴社から買いたかった」ということを伝えるのも、付き合いを継続するためには大切です。
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